EUROPE-KIKAKU 2nd

theatre

スーパークリエーター集団

今回のコラボ相手はMEGUMIが出演する舞台「続 時をかける少女」

の脚本と演出を手がける上田誠氏主催のヨーロッパ企画!!

ドラマや映画の企画のみならず、フェスやラジオ、アプリ開発まで何でもやってしまう唯一無二の劇団。

そんなスーパークリエーター集団ヨーロッパ企画とMEGUMIの対談の第2弾をお届けします。

Q 今回初めてご一緒させていただいて、エチュード(即興劇?)がすごく独独だと思ったんです。

私、昔、新喜劇を1年ぐらいやってたんですけど。だからなんとなくエチュードも特別というか、独特なエチュードだなって。
本当に自由にやるっていうよりは上田さんの頭の中にあるものを上田さんが明確にしていってる感を背負いながらやっている感じ。それがとっても新しかった。これでいいですか?ってみんなで確認し合うっていうか。

U そうですね。あてもなくネタを出してくれっていう感じでやるのではなくて、割とルールが決まっている中で、役者さんのカラダを作ってもらうみたいな意味もあって、ストーリーをもらうっていう感じではない。今回は特にね。

M でもなんかその中でセリフが反映されているものがあったりとか、動きが見えてきていらっしゃるんだろうなって感じ。こうやって作っていくんだな~ってすごいおもしろかったですね。

U だから稽古場で、台本から読み解いて演技を作っていくよりかは、正解が全部書いてあるわけではないし、おもしろい人たちが空間でなんかやってることから作り上げていったほうがっていうふうに、徐々になってきた。

M それも思いました! 私はバラエティーをやってきたから瞬発的なものだと思ってたんですよ。だから、あんまり練習するとつまんなくなるって思っているところはあったんですけど、上田さんのやるコントはなんか深みがあるコントっていうか。みなさんの過去の映像とかも観るからなのか、外からどんどん入ってくるというか。歴史とかきちんと染み込ませてやるっていうのがすごく新しいなって。

U へー嬉しい!

I 確かに資料を観て、稽古場でみんなで共有してっていうのはあんまりないみたいですね。

M それがクリエーターっぽいんですよね。ブランドやお店の立ち上げとかも企画書というか、資料集めてコラージュして染み込ませていくんです。ブランドのカラーはこうとか、こうゆう客層を狙いたいとか。それにすごい似ていました。それが上田さんっていうか、ヨーロッパ企画なんだって。

S 石田くんもセリフがふたつなのに、そのために分厚い本渡されて(笑)。

I そうそう。この小説読んどいてくれって渡されたけど、俺のセリフは二言しかないのにって(笑)。でも、上田くんが『続・時をかける少女』の台本書くのに、4~50冊の本は読んでるもんな。僕の二言のセリフを書くのに3冊は読んでると思うと、それぐらい読まなきゃなって。

N だから僕らけっこう資料とか読んでいるし、稽古場にも本はあるしね。

U 僕らは、テーブルワークって呼んでいるんですけど、初日の顔合わせは、マネージャーさんもいるから不安を与えないためにも台本読むんですけど(笑)、最初は稽古場じゃなくて会議室とかでみんなで映像観たり、雑談したりして、共有していってるうちにタイトルが出来てじわじわ稽古場に移って行くっていう。テーブルから一万人希望の大きな劇場という順番にやっている。

M 役者も企画立ち上げから具現化していくところに携わっている感じはありますね。

U 確かに、今回は特にそれがあるかもしれないです。この人はこの売り場担当っていう。

S ちょっと前までテーブルワークも上田くんにプレッシャー与えるんじゃないかって。鉄板囲んで、お好み焼きをみんなで作りながらプレッシャーを逃がして(笑)。お好み焼きがうまく焼けたな、じゃー次はどうするって?  本当にじわじわとなんですよ。

I 本当は稽古場に鉄板がほしい!

S いいスタートが切れるんですよ。

N そうそう。割とそれはいいんだよね。

M 顔合わせで鉄板焼きやったらよかったですね。
実は、資料とか見ていると、すごいださいし、めちゃくちゃだと思っていたんですけど、みんなが一生懸命生きてて愛おしくなりました。それが今回のポイントなのかなって。

I 資料みたことでどうどうと演じやすくなったっていうか。

M そうなんですよ、さらっと、それっぽくじゃなくて、ドロドロに生きてたんだなって。

N 資料を観ることで空気が出来上がるというか…必要なプロセス。

M そうだと思いました。

U さっきコントはその瞬間っておっしゃいましたけど、結構それもあって。ある状況ではテンポをずらしてやったりとか。でもその瞬発力は芸人さんの仕事には勝てないので、僕らは役者さんに乗っかり切って作り切ることで強さを作るっていうところがあると思う。だから今回は割と、アプローチしたのは当時のカラダ作りをしてて、やればやるほど入り込んでいき、愛おしくなるってのもそうなのかなって。

M そうですね、斜に構えているの真逆! 観ている人も笑うけど、ちょっとエモいっていうか。それがヨーロッパ企画的なのかなって。ちなみにこれからもコメディーをやっていきますか?

U やっていこうと思ってるんですけど、普通の劇でも、今回の劇もまじめだし、コメディーやりますっていうと誤解があって。割とシリアスコメディーっていうのがあったりするから。今回はコメディーの中で、“時かけ”の青春ものってできるんだなって。

【ヨーロッパ企画 プロフィール】

98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内においてユニット結成。00年、独立。
本公演では、代表・上田誠の作・演出による、トリッキーな劇構造と非日常的な設定、TVゲームを思わせる独特の「地形」の中で、
冴えないキャラクターたちがモソモソと群像会話を紡ぐ、といったスタイルのコメディを展開。
創作のベースを京都に置きながらも、全国へと意欲的に舞台作品を発信し続けている。

05年夏にはヨーロッパ企画の過去の舞台作品「サマータイムマシン・ブルース」が
09年冬には「曲がれ!スプーン」が本広克行監督によって映画化。
17年に上田誠がヨーロッパ企画第35回公演の「来てけつけるべき新世界」で第61回岸田國士戯曲賞を受賞。

またテレビ番組・ラジオ番組・ショートムービーの企画制作や映画祭・フェスの企画運営も行いながら、
メンバーそれぞれも舞台・映画・テレビ・ラジオ番組の出演、Webや雑誌連載等々を行い、活躍のフィールドを広げ続けている。

photographer:Takahiro Takinami