Kobayashi Miyuki 2nd

Dental Creator

口の中から美しさを目指す、デンタルクリエイター

Kobayashi Miyuki + MEGUMI

口の中から美容と健康を目指すデンタルクリエイター、小林みゆき氏。
前回に引き続き、MEGUMIとの対談から新たなオーラルケアを提唱する。
今回のテーマは”子どものオーラルケア”。
小林氏、MEGUMIともに同じ歳の子どもを持つ母として、気になる子どもの口腔ケアについて語った。

対談

MEGUMI(以下M) 今回は、子どものオーラルケアについてお聞きしたいと思います。まず、よく言われているのがキスや口移しで虫歯の菌が伝染ってしまう噂。これって本当のところはどうなんでしょう?
小林みゆき(以下K) 実際、1歳半〜2歳半くらいの子どもには唾液感染で虫歯の菌は伝染りやすいですね。とはいえ、唾液によって免疫力を与えるメリットもあるので、一概に絶対にしてはいけないわけではないんです。親がきちんとオーラルケアを行っていれば問題ないので、キスや口移しをしても大丈夫なんですよ。
M そうなんだ。ほかに子どもの虫歯対策で気をつけるべきことはありますか?
K 虫歯対策として本来は妊娠期から母体の口腔状態は整えておくべきです。
食事や体の正しい成長、姿勢など生活習慣が全て関わってきます。
風邪のときなど、免疫力が下がっているときは虫歯になりやすいので注意が必要です。水分補給のためにスポーツドリンクを与える親御さんも多いと思いますが、砂糖が多く含まれているので気をつけてほしいですね。脱水症状の時は代わりに経口補水液や重湯、ブドウ糖とレモンを入れた水などをあげるといいですよ。

M 甘いものってやっぱり虫歯になりやすいですよね。歯を磨きたがらない子も多いと思うんですが、そういう子たちにはどうしてあげたらいいんでしょう?
K そうですね、シュガーコントロールは大切です。小さいうちから習慣づけることが大切です。ケアをきちんとして、口腔内の状態が良好で悪玉菌がいなくて唾液の質が良いと甘いものを食べても虫歯にはなりにくいですから。ちなみに子ども用の歯磨きペーストは、楽しんで歯磨きできるキシリトールの甘い味がついたものがあるので、そういったもので楽しみをつくってあげるといいでしょう。1歳半くらいまではゴロゴロ仰向けで寝転がせて遊びながら、お口の中や外をお母さんが清潔な手でたくさん触ってあげてください。成長に最も大切な口唇期のスキンシップは精神面にもその後の成長にも影響します。甘い歯磨きペーストでも、発泡剤不使用でフッ素濃度の高いものがあるのでそういったものを選んであげてくださいね。

M なるほど。ほかに気をつけてあげるといいことってありますか?
K 歯磨きの習慣付けと同時に、舌やくちびるの位置や動きや唾液の分泌など口腔機能を訓練してあげるといいでしょう。簡単にできる訓練は「あいうべ」体操。詳しくは下の写真の解説を見てくださいね。「あいうべ」体操の役割のひとつで、舌の奥の方をしっかり動かすことが大切です。日本人のほとんどが舌の奥の機能が失われつつあると言われています。人間の体は、お母さんのお腹の中で頭からできるのですが、その中でも一番最初にでき動くのが舌だそうです。体中の筋肉と大きな膜としてつながっていますので、舌の奥を動かすお口の体操はとても有効なんです。「ぱたから」と発音する体操も有効です。また、最近多いお口ポカンの口呼吸の子どもには、遊びながら口周りの筋肉のトレーニングできる吹き戻しは、ぴったり。歯科用に開発された上の写真の吹き戻しは、吹く強さがレベル別に分かれているので段階的にトレーニングすることができるんです。飽きやすいお子さんに是非使ってあげてほしいですね。それと、前回お話しした姿勢の正しさや舌の位置は母子共に口腔機能にとってとても大切。愛情たっぷりのスキンシップとコミュニケーションをとって、ごはんを食べるときは、楽しく美味しく床に足をついてきれいな姿勢で食べられる環境を整えてあげたいですね。

小林みゆき
Dental Creator
歯科医院のディレクションや広報、デザイン制作管理、開業サポートやプロデュースを行うデンタルクリエイター。フリーランスの歯科衛生士として、デンタルスパの講師や人材育成支援、訪問歯科衛生士の側方支援なども行う。

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Instagram : miu_k_official

グラフィックデザイナー:中城海図(なかじょう かいと)
フォトグラファー:伏見歴堂(ふしみれきどう)
衣装協力(白衣):TOMARU. (とまる.)