今回制作したのは、MEGUMIさんをモチーフにした彫刻作品。
強くて美しいMEGUMIさんを、動物の衣装を纏ったスーパーヒーローの様なイメージで表現した。
前回の「遺影」をテーマに制作した作品で、コンセプトは大まかに説明したが、
今回の彫刻作品についても細かく説明していく。

前回は”葬式”についての改善案だったが、今回は葬式後の故人の扱いについて考えた。
墓石に関して言えば、お金をかければ好きな形で彫刻することが出来、
様々な形の墓石も実際に見たことがある(バイク、タバコ、本etc…)。
しかし、お墓なんて墓参りの時にしか見ないし、
家にある仏壇とか位牌の方にオリジナリティ出したいよね！？と思った。
そもそも墓石も基本的にモノクロだし。

遺影と同じように、故人を最もカッコいい姿で仏壇に飾る彫刻を制作した。
それは、故人の肖像彫刻を像にして残す。というアプローチは偉人でなくても誰にでも該当するし、
どんな人でも彫刻になる理由はあると思ったからである。
いった思いは以前からあり、2018年の個展「フィストオブジョン」において、
クラウドファンディングの支援者を肖像彫刻で作って誰でも偉人のように彫刻になれる。という企画を実施した。

誰しも”生きた”という事実はあるし、
故人を明るい気持ちでハッピーに弔える肖像彫刻があっても良いと私は考える。

作品のディテールに関して解説すると、MEGUMIさんのグラビア時代は、
アニマル柄やレザーを使用した衣装が多かった記憶があるので、
MEGUMIさんを魅力的に表現するのに動物との親和性は高いと思った。
その為、動物の鎧や毛皮を纏い様々な年代のMEGUMIさんを混ぜた顔の作りにした。
女優として、どんな役でも芯のある強い演技をする表情をした顔の造形になっている。
きっと、MEGUMIさんが生涯を全うした時、
また肖像を作る機会があればもっと良いものが作れるかも…と思いながらも、
今回は現時点で最善の「MEGUMI像」を彫刻家・吉田孝弥なりに表現した。