MEGUMI×KAWAMURA 2nd

宝石珊瑚について
KARAMURAの社長、川村裕夫さんに
詳しく教えていただきます。

KAWAMURAとのコラボレーションでは、
ピンク珊瑚を用いたリングとピアスを
製作しました。

宝石珊瑚には、
ピンクのほかに、赤や白もあります。

この機会にぜひ、
宝石珊瑚について知ってほしいと思い、
KAWAMURAの社長、
川村裕夫さんに教えていただきました。

－まずは、今回のコラボレーションで使用した
ピンク珊瑚について教えてください。

ピンク珊瑚は希少性が高いです。
今回使用したのは、モモとミッドと呼ばれる種類ですが、
製品になった状態で見分けるのは難しいこともあり、
総称してピンク珊瑚と呼んでいます。

特にモモは
“幻の珊瑚”と呼ばれていますし、
ヨーロッパでは、珊瑚の王様として扱われています。

－珊瑚ジュエリーは、
ヨーロッパでも親しまれているんですか？

実は、珊瑚の発祥の地はヨーロッパです。
地中海珊瑚と呼ばれていて、
赤色をしています。

日本にも血赤珊瑚と呼ばれる、
その名の通り血液のような深い赤色の種類もありますが、
地中海珊瑚はそれよりは色彩は薄いです。

古いものでは、
2万年前の赤い珊瑚のイヤリングが
ドイツの遺跡から見つかっているみたいです。

－2万年前⁉

はい、それが最古の珊瑚であり、
宝石としても最古のものだと言われています。

宝石珊瑚の始まりは、
一説には、砂浜に赤い珊瑚が打ち上げられて
キレイだったことから人々が身につけるようになったからと
考えられています。

－そこから日本に渡ってきたということですか？

地中海で赤い珊瑚が取れることが分かり、
シルクロードを通って
中東地域、インド、中国、
そして、日本にも伝わってきました。

日本でもっとも古い珊瑚は、
胡渡り（こわたり）珊瑚と言って、
奈良の正倉院にあります。

胡渡りの胡は、
昔のペルシャのことです。
つまり、ペルシャから渡ってきた珊瑚。

それが、江戸時代に土佐沖で見つかり、
そこから日本の珊瑚が
世界の中心地になったと言われています。

－ピンク、赤、白と珊瑚にはさまざまな色がありますが、
採れる国によって違いがあるのでしょうか？

ピンクや赤といった色は、
その珊瑚が本来持って生まれた色です。

国によって採れる色が違うといった
地域性はありません。

－そうなんですね。
カラーストーンはそれぞれに意味がありますが、
珊瑚にも色によってありますか？

色によってというよりは、
珊瑚そのものがお守りとされていました。

例えば、イタリアでは十字軍の兵士に
お守りとして渡していた歴史がありますし、
イギリスの王室では、
珊瑚を身につけてお産する風習があります。

お守り、魔除けなど、
文化的なものとの結びつきが強いです。

－ジュエリーやお守りなどに使われる珊瑚を
宝石珊瑚と呼ぶとのことですが、
それは、海の中で見る珊瑚とは同じですか？

いえ、種類は異なります。
宝石珊瑚は八方珊瑚、海の中の珊瑚は六方珊瑚です。

海の中の珊瑚は、
数年で育ち、白化現象になって死滅しても
すぐに再生します。

一方で宝石珊瑚は、
育つのに100年単位の時間を有します。

－珊瑚のジュエリーでコラボレーションするにあたって
環境のことが気になっていました。

確かに、事前に確認していただきましたよね。
そのときにもお話ししましたが、
KAWAMURAとしては、珊瑚の保護や環境問題にも
取り組んでおります。

国連が定める保護基準では、
海の中の珊瑚は、世界中どこでも
採ってはいけないとされています。

ただ、その基準に
宝石珊瑚は含まれていません。

だからこそ我々は、
乱獲しないことはもちろん、
育てる研究も行っています。

また、乱獲や密猟された宝石珊瑚が流通しないよう、
きちんと証明書を出して管理もしています。

－その考えに共感したことで
より想いを持って、コラボレーションができました。
ありがとうございます！

MEGUMIさんは当初からピンク珊瑚でとお話されていて、
素敵に仕上がるだろうと想像していました。
どのアイテムも品があり、素敵ですが、
特にアジャスタブルリングが好きです。

今回のコラボレーションでは、
これまで宝石珊瑚に接点のなかった人にも
知ってもらえる機会だと感じています。

パールを身につけるように
ファッションの一部として
宝石珊瑚が広まっていったら嬉しいです。